米中貿易摩擦について長期戦も辞さない構えを示した中国の魏鳳和国務委員兼国防相 
(C)EPA=時事

 

 米政府は5月15日、米国企業に対し、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)」への輸出を事実上、禁止した。カナダでのファーウェイ副会長逮捕を含め、摩擦は過熱するばかりだ。

 現在の米中ハイテク摩擦は、一方の主語である中国を日本に置き換えると、1989年の日米構造協議を軸とする日米貿易摩擦と酷似する。半導体に代表される日本のハイテク産業は、それをきっかけに凋落したが、徹底抗戦する中国は日本とは別の道を辿りそうだ。

懐の深さと幼さ

 「やるなら最後まで付き合う」

 中国の魏鳳和国務委員兼国防相は6月2日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、米中貿易摩擦について長期戦も辞さない構えを示した。「米国に意向があるなら対話のドアは開かれている」としつつ、「ファーウェイは民間企業であり、創業者の任正非CEO(最高経営責任者)が軍出身であっても同社は軍と関係なく、米国が安全保障上の理由で排除を図るのは不当だ」とし、中国側から折れることはない意思を示した。

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