「アラブ・ニュース」の報じたとおりになるか(同紙HPより)

 

 安倍晋三首相がイランを訪問する。6月12日から14日まで、3日間の予定だ。

 外務省の事務方は大忙しだろう。イラン・イスラム革命(1979年)後、現体制の政権となってから初めての日本国首相の訪問だから、如何なるミスも許されない。だからと言って「防御」に専念していたら、「何しに行ったんだ」と野党が騒ぐのは必至だから、「攻撃」も考えなくてはならない。どういう「成果」を目指すのか。

 現任の外務省中東アフリカ局長は30年ほど前、私的な「先物取引研究会」で議論を交わしたご縁のある方だ。当時、ニューヨークで「NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル・エクスチェンジ)」が大成功しており、東京にも同じような石油先物市場を作れないか、そもそも先物商品とは何か、という基礎的な勉強から始めた研究会だった。

 これも「一期一会」、お節介ながらかってに可能な「成果」を考えてみた。

「人道上のニーズ」という大義

 イランが今、最も求めているものは何か?

 米国の「経済制裁」の解除、だろう。

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