収容者は40名に減ったが……(C)EPA=時事

 

 皆さんは覚えているだろうか。キューバにある米国のグアンタナモ海軍基地に、オレンジ色の囚人服と黒い頭巾に包まれ、手錠と鎖でつながれて連行される、いわゆる「テロ容疑者」たちの姿を。

 2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の後、米国は「テロとの戦い」を開始し、アフガニスタン人、パキスタン人、イエメン人などアルカイダのメンバーを中心とするテロ容疑者たちを次々と摘発した。

 米国は、キューバ島の南東部に位置するグアンタナモ米海軍基地をこれら容疑者たちの収容所として選定し、2002年の1月以降、延べ800名近くのこれらテロ容疑者を拘留した。多くは釈放され、あるいは第三国に移送されて、現在の被収容者は40名まで減っている。グアンタナモでの人権問題を指摘する声は依然として続いているものの、世界の関心は薄れ、メディアの報道も少なくなってきたのが実態である。

 ところが、最近に至り、グアンタナモ収容所に新たなテロ容疑者の波が押し寄せ、再び国際的な関心に火がつく可能性が出てきたのである。

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