46.デービッド・スティルウェル国務次官補

 バラク・オバマ前大統領により国務次官補(東アジア・太平洋問題担当)に指名され、同職を務めていたダニエル・ラッセル氏が2018年3月に退任以降、空席となっていたが、ドナルド・トランプ大統領は同年10月17日、スティルウェル退役空軍准将を次期国務次官補に指名すると発表していた。

 その後、2019年3月の議会上院外交委員会での指名承認公聴会を経て、6月13日に上院本会議で票決が行われ、賛成94票、反対3票の賛成多数で正式に承認された。

 今後、北朝鮮の核問題、米中関係、日米関係をはじめとする東アジア外交について、トランプ政権で中心的役割を担うことになる。

 指名承認公聴会では、日本、韓国、オーストラリア、フィリピンといった米国の同盟国との同盟強化を図りつつ、中国に対して対抗していく方針を表明した。中国については「一帯一路」構想や南シナ海の軍事拠点化を挙げつつ、中国との戦略的競争は後世まで続く課題との認識を示した。

 トランプ政権の国務次官補ポストについては当初、国務次官補代行の立場にあったスーザン・ソーントン氏が2017年12月に指名されていた。当時の国務長官レックス・ティラーソン氏もソーントン氏を重用していたが、中国に近い人物との見方がされて上院での指名承認手続きが膠着状態に陥る中、ティラーソン氏も2018年3月にトランプ大統領により更迭され、ソーントン氏も上院での指名承認をされることなく2018年7月末に退任し、その後、スティルウェル氏に白羽の矢が立った経緯がある。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。