意表突いた「習近平訪朝」は吉か凶か

執筆者:平井久志2019年6月19日
今度は平壌で握手(左・金正恩党委員長、右・習近平総書記)(C)AFP=時事

 

 中朝両国は6月17日夜、習近平中国共産党総書記(国家主席)が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の招きで6月20、21の両日、北朝鮮を訪問すると発表した。シンガポールで昨年6月12日に行われた第1回米朝首脳会談から1年が経過したが、ハノイで2月末に行われた第2回米朝首脳会談が決裂、米朝交渉は先が見通せない膠着状況だ。そうした微妙な状況の中で、特に、大阪で今月28、29の両日開かれる20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で予定されている米中首脳会談を目前にしたこの時期に、習近平総書記の訪朝が発表されたのは、意表を突くものであると同時に、強いインパクトを与えた。

 今年は中朝国交樹立70周年(10月6日)の年であり、北朝鮮から再三にわたり習近平総書記の訪朝要請があっただけに、年内の訪朝は確実とみられていた。『朝鮮中央通信』は6月17日の習近平総書記の訪朝発表報道で、金党委員長が今年1月に訪中し、この際の会談で習近平総書記の都合の良い時期に北朝鮮を公式訪問するよう招請し、習近平総書記がこれを快諾していたと報じた。

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