ロンドンのバッキンガム宮殿で催された晩餐会で乾杯するトランプ米大統領(左)とエリザベス女王
(C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領がメラニア夫人とともに6月上旬、3泊2日で英国を国賓で訪問した。国力は衰えたとはいえ、その格式と伝統で国際社会に威光を放つ英王室から国賓で招待されることは同大統領のたっての念願だった。

 トランプ大統領夫妻の英国訪問の最大の焦点は、エリザベス女王をはじめとする英王室がどのような接遇をするか、だった。英王室が同大統領を快く思っていないのは公然の秘密。しかし欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)で、英政府はこれまで以上に米国を必要としていた。王室はどこまで政治の要請に応えるか、でもあった。

沈黙を通した王室

 大統領専用機エアフォースワンで3日午前9時ごろ、英ロンドンに着いたトランプ大統領夫妻は、ヘリコプターに乗り換え、バッキンガム宮殿の庭に降り立った。エリザベス女王、チャールズ皇太子など英王族が出迎え、歓迎式典が行われた。ふつう国賓は6頭立て馬車で、エリザベス女王とともに市内パレードを行うが、デモ隊を寄せ付けないためヘリコプターで移動した。

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