対露サイバー工作を指令したポール・ナカソネNSA局長兼サイバー司令部司令官(陸軍大将)(C)AFP=時事

 

 世界は、米国vs.中露の「二極対立」の時代が来た。2019年6月、中露が結束を固め、米国に対峙する構図が明確になったのだ。

 習近平中国国家主席は6月5~8日、国交70周年を記念して国賓として訪露。モスクワでの首脳会談で、習主席とウラジーミル・プーチン露大統領は、中露関係が「前例なきハイレベル」に達し、個人的にも互いに「ベストフレンド」だと繰り返した。

 共同声明では、米国を念頭に「国際システムの覇権的独占」を非難。5G(第5世代移動通信システ)の開発協力に華為技術(ファーウェイ)とロシア企業が参加するなど、約30件の協力文書に調印した。サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラムには中国の経済人約1000人が同行した。

 翌週のキルギスでの上海協力機構(SCO)首脳会議、続くタジキスタンでのアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)も両首脳は一緒に出席した。

 2人は5~16日の間、9日間も同じ都市で過ごした。15日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで、66歳の誕生日を迎えた習主席にプーチン大統領はロシアのアイスクリームを贈り、中露蜜月を演出した。日本はドナルド・トランプ米大統領を国賓に招いて「おもてなし外交」と騒いだが、中露首脳の親密ぶりには全く及ばなかった。

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