トランプ大統領が軍事境界線をまたいで、金正恩党委員長が待つ北朝鮮側に足を踏み入れた (C)AFP=時事

 

 米国のドナルド・トランプ大統領は6月30日午後、朝鮮半島の南北分断の象徴でもある軍事境界線上にある板門店を訪問し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と劇的な第3回米朝首脳会談を行った。前日に、トランプ大統領が突然、ツイッターで金党委員長に非武装地帯(DMZ)での会談を呼び掛け、金党委員長がこれに応じた。世界の注目を引き付けながら突然実現した、板門店という劇場で演じられた「劇場型首脳会談」であった。

 トランプ大統領は軍事境界線上で金党委員長と握手を交わした後、板門店内で約10メートル北朝鮮側に入り、そこで再び金党委員長と握手を交わした。米国の大統領が現職のうちに北朝鮮領内に足を踏み入れるのは、南北分断以来、初めてのことであった。

 トランプ大統領と金党委員長は、軍事境界線を越えて韓国側に入り、会話を交わした。その会話が一段落した時点で、トランプ大統領とともに板門店入りした韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2人に合流し、板門店という特別な場で、初めて南北と米国の首脳が会うという場面が生まれた。これも史上初だ。

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