トランプ流「エネルギー自立」の大間違い

執筆者:岩瀬昇2019年7月2日
日本企業も参画している「キャメロンLNGプロジェクト」の基地(C)時事

 

 数少ないテレビ生出演の経験から、「キーワード」というものの重要性を学んだ。多くの視聴者は、往々にして発言内容より、出演者のネクタイの柄などを記憶するものだ。したがって、伝えたいことは「キーワード」に落とし込む必要がある。

 記憶に残る短い言葉で、伝えたい物事の本質を表現する。

 それでこそ初めて、大事なことが伝えられる。

 政治家もまた「キーワード」の重要性を知っている。選挙カーから候補者名を連呼するのも、それが彼(彼女)にとって、まさに「キーワード」だからだ。

 だが政治家の「キーワード」は、それが重要であればあるほど詳細にチェックされ、時に批判を浴びることになる。その結果、次の選挙で「ただの人」になり下がることもある。

 一方で「キーワード」が独り歩きし、自己増殖することもある。チェックや批判を無視して、世界を悪い方向に先導してしまうことすらありうる。

 ポピュリズムが拡大すればするほど、「キーワード」の重要性は増すのだ。

 そこで、世の中に敷衍(ふえん)している「キーワード」を、きちんと分析して解説する専門家が必要になる。「キーワード」を正しく理解しなければ、人々の判断は歪んだものとなってしまう。

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