米中の「間」に入ってはいるが、やはり米寄りか(C)時事

 

 世界経済が貿易収縮と金融危機のリスクをかかえる中、主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、米中の応酬で対立の根深さがあらためて鮮明となった。

 中国メディアによれば、米中首脳会談で習近平国家主席は、「中国の主権と尊厳」を強調し、こうした点に米国が干渉するならば、「中国は核心的利益を必ず守る」と強気の姿勢だったという。

 首脳会談以外の会合を簡単に振り返っても、デジタル経済がテーマの会合で、安倍晋三首相をはさむ形で左右に座ったドナルド・トランプ大統領と習近平主席は、「デジタル貿易の自由な流れを妨げ、プライバシーや知的財産保護を侵害する政策には反対する」(トランプ大統領)、「各国の自主的管理も尊重するべきだ」(習近平主席)と互いに牽制し合うといった具合だった。

「デジタル保護」をめぐっては、中国国内で活動する外資企業が中国で得たデータの国外持ち出しを中国が禁じており、米国はこれをもって、中国政府が外資の情報を奪っていると批判している。

 また、中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」にしても、習近平主席が「一帯一路が世界経済を前進させる」「独断主義は排すべき」と対米批判を展開したのに対し、トランプ大統領は「米国の経済成長路線はすべての国の利益となる」と対抗し合った。

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