2015年11月、副首相就任後の初来日で講演を行ったソムキット氏(C)AFP=時事

 

 3月24日の総選挙から100日余り、国王によるプラユット・チャンオチャ首相承認から25日程が過ぎた7月4日、「暫定」の2文字が取れたプラユット政権の閣僚名簿がタイから伝えられた。順調に進めば近日中に、国王の裁可を経た上で、2014年5月のクーデターから5年2カ月ぶりにようやく正式なプラユット政権が発足することになるはずだ。

 非議員のプラユット大将を首班とする6党連立政権の閣僚(全36人)は、「国民国家の力党」が18ポスト、「民主党」と「タイ矜持党」が共に7ポスト、「タイ国家発展党」が2ポスト、「タイ全人民の力党」と「国家発展党」が共に1ポストとされる。

 だが、首相(国防相兼務)、3副首相(安全保障担当、経済担当、法律担当)、司法相、財務相、国防相(首相兼務)、内務相、外務相、エネルギー相、工業相、デジタル経済・社会相、労働相といった主要ポストは、国民国家の力党が占めているだけではなく、その中核が暫定政権からの横滑りであるだけに、新発足の“文民政権”とは言うものの、人事面のみならず政策的にも暫定時代のそれを踏襲するものと見做して間違いないだろう。

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