2018年6月、東京都港区の東京入管前で外国人の長期収容に抗議する市民ら(筆者提供、以下同)

 

 トランプ米政権の非正規移民に対する強硬策は日本でも広く報じられている。中でも、メキシコ国境から不法入国した移民の親子を分離する政策は「ゼロ・トレランス(不寛容政策)」と呼ばれ、国内外から「非人道的だ」と非難を浴びた。だが、日本の出入国管理政策でも、結果として米国と同様、移民の親子分離が生じている現実はあまり知られていない。

 法務省入国管理局(現・出入国在留管理庁)が野党議員に開示した資料によると、入管当局は2017年、外国人の子ども28人を親と引き離し、児童相談所に保護を依頼した。

 「子どものことを思うと離れ離れだった毎日は生きた心地がしなかった」

 トルコ出身のクルド人で、親子分離を経験した男性はそう振り返る。紛争や迫害で故郷を追われる人々が全世界で7000万人を超す中、日本のあり方が問われている。

守られなかった約束

バラン・カラハンさんが収容されていた東日本入国管理センター(茨城県牛久市)。長期収容に 抗議するハンガーストライキが度々起きているほか、2018年4月にはインド 人男性が自殺している

 「何があっても入国させない」「働きに来たんでしょう」――。

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