一時の失速から勢いを取り戻した韓氏(C)AFP=時事

 

 来年1月に控えた台湾の総統選をめぐり、国民党の正式な総統候補はこのほど、高雄市長の韓国瑜氏になることが党内予備選挙の結果、確定した。シャープを買収した巨大企業「鴻海(ホンハイ)精密工業」の創業者である郭台銘(テリー・ゴウ)氏らは予想外の大差で韓氏に屈した。

 総統選挙は、民進党から再選を目指す現職の蔡英文総統と韓氏が戦うことになったが、韓氏は国民党のなかでも非主流派で「庶民性」を売りにしており、エリート中のエリートとして育ってきた蔡氏とは対照的な対決構図となる。

両党とも挙党体制を取れるか

 従来、台湾の選挙は、エスタブリッシュメントでエリート的な国民党に、庶民的でお金のない民進党の候補が挑む、というイメージが強かったが、今回はまるで正反対で、その意味でも異例の形となる。ただ、2人の直接対決かどうかはまだ微妙で、第3の候補として台北市長の柯文哲氏も出馬への意欲を隠しておらず、郭氏も国民党を離党しての参戦が噂されている。

 いずれにせよ、台湾総統選は今回、かつてない混戦・接戦になる可能性が高く、これから半年、ますます見逃せない局面が続きそうだ。

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