6月下旬、マクロン仏大統領夫妻を迎えられた両陛下 (C)時事

 

 エマニュエル・マクロン仏大統領夫妻が6月下旬、日本を公式訪問した。就任後初来日の同大統領を天皇、皇后両陛下は宮中午餐会で手厚くもてなされた。9カ月前、即位前だった今上天皇は徳仁皇太子としてマクロン大統領夫妻から厚遇されており、この1年足らずの間の相互交流は日仏両国のかつてない良好な関係の反映である。

ベルサイユ宮殿での晩餐会

 マクロン大統領は6月28~29日に大阪で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出席する前に公式訪問を行った。初日26日は安倍晋三首相と会談し、2日目の27日に天皇、皇后両陛下のもてなしを受けた。

 今上天皇は昨年9月、皇太子最後の外国訪問としてフランスを8日間にわたって訪れている。日仏友好160周年を記念して開かれた「ジャポニスム2018」に合わせた訪仏だったが、これにはフランス政府の強い要請があった。フランスとしては即位前の皇太子を元首級でもてなすことで、日本との関係をより強固なものにしたい思惑があった。

 日本にとっても欧州の中軸国であるフランスとの提携強化は重要だった。皇太子の外国訪問は国際親善であり、政治とは無関係とされている。それでも即位前最後の訪問となると、それなりに行き先が選ばれるのは当然である。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。