マキロイ(左)と今年の勝者ローリー。互いの胸中には共通の感慨が(写真は2018年大会時)(C)AFP=時事

 

 今年の「全英オープン」(7月18~21日)を制覇したシェーン・ローリー(32、アイルランド)が、翌週に米テネシー州メンフィスで開催された世界選手権シリーズの「フェデックス・セント・ジュード招待」(7月25~28日)を欠場することが報じられると、米国のゴルフファンは落胆したが、「そうなってくれることを望んでいた」と言った選手が1人だけいた。

 それは、全英オープン開幕前に優勝候補の筆頭に挙げられながら、予選落ちを喫し、2日間で去っていったローリー・マキロイ(30、北アイルランド)だった。

 マキロイのこの言葉の背景を探れば、そこには深い意味、大きな意義が込められている。

「びっくりするほどナーバスに」

 今年の全英オープンは1951年以来、68年ぶりに北アイルランドに戻り、「ロイヤル・ポートラッシュ・ゴルフ・クラブ」がその舞台になった。北アイルランドの人々は地元のヒーロー、マキロイの勝利を願い、マキロイ自身も母国のファンの目の前で優勝トロフィーのクラレットジャグを掲げようと心に誓っていた。

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