「報復」でも「禁輸」でもない「日韓輸出管理問題」4つの「誤解と曲解」
2019年7月30日
7月24日のWTO(世界貿易機関)一般理事会において、韓国が日本による安全保障貿易管理(輸出管理)の制度変更に関して異議を申し立て、日本がそれに返答するというやり取りが行われ、日韓両国で大きな話題となった。しかし、このやり取りに関してWTO一般理事会に参加していた他の国々は口々に「2国間問題には関与しない」「なぜこの問題が一般理事会で議論されるのか理解に苦しむ」と発言していたと報じられている。
なぜこの問題がWTOで論じられたのか、またWTOで論じることの意味はどこにあるのか、そしてWTOは何らかの解決をもたらすことができるのかについて、少し論じてみたい。
韓国の成功体験
WTOの一般理事会は通常、WTOのルールと運用に関する多国間協議の場であり、すべての加盟国に関連する問題を扱うフォーラムである。それでも今回韓国が日韓関係という2国間の問題をこの理事会の議題としたのは、大きく2つの要素が重なったからではないかと考えられる(韓国側の公式な説明はないため、あくまでも推察でしかない)。
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