右:ヘレン・シャルフベック《ロヴィーサからきた少女》 1941~42年 フィンランド国立アテネウム美術館 Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum, Kaunisto Collection
左:ヘレン・シャルフベック《占い師(黄色いドレスの女性)》 1926年 フィンランド国立アテネウム美術館 Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum, Kaunisto Collection
撮影:筒口直弘

 

 「もっとも内的な情熱を描こうとすると、女性であるがゆえにそれができずに恥ずかしい思いをするのです」

 フィンランドの国民的画家の1人、ヘレン・シャルフベック(1862~1946)は友人に宛てた手紙の中で、女性芸術家としての苦悩をこう吐露していたという。

 現在、国立西洋美術館新館展示室では、19世紀後半~20世紀初頭、フィンランド美術の一時代に活躍した7人の女性芸術家たち(※)の作品を紹介する展覧会「モダン・ウーマン――フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」が開催されている(9月23日まで)。歴史の大きなうねりのなかで、彼女たちはどう道を切り拓き、女性芸術家としての地位を確立したのだろうか――。

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