UAEアブダビは急転回でイランとの対話に邁進

執筆者:池内恵2019年7月31日

1ヶ月前に、この欄で、UAE(その外交・軍事を指導するのはアブダビ)の興味深い動きについて記しておいた(「対イラン戦争の寸前で身を翻したUAEアブダビ」2019年6月30日)。中東の動きは実に早い。たったひと月の間に、UAEの外交は大きく舵を切り、なりふり構わず、これまでの経緯もかなぐり捨てて、先に進んでいる。

7月30日、テヘランを訪れたUAEがイラン高官と、海洋安全保障について協議したという。5月以来のたび重なる「タンカー事案」に対して米国が「有志連合」の結成を呼び掛ける中で、これを対イラン軍事包囲網にする動きを覆し、むしろイランを取り込もうとする動きにも見える。

この協議については、イラン側が盛んに宣伝するだけでなく、米イラン対立と、その中でのUAE・アブダビの動きを詳細に伝えてきた『ウォール・ストリート・ジャーナル』も早期に大きく報じている。

"Iran, U.A.E. Discuss Maritime Security Amid Heightened Tensions in Gulf: 
Meeting coincides with a brewing crisis between Tehran and the West that threatens the United Arab Emirates’s reputation as a safe business hub," The Wall Street Journal, July 30, 2019.

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