8月2日、閣議に臨む安倍首相(左から2人目)、世耕経産相(右から2人目)ら閣僚。「ホワイト国」除外の政令改正はこの後決定された (C)時事

 

 韓国の憲法裁判所は2011年8月30日、慰安婦問題で韓国政府が日本と外交交渉を行わないのは「被害者の基本的人権を侵害し、憲法違反になる」との決定を出した。これを受けて李明博(イ・ミョンバク)政権は、民主党の野田佳彦政権の間で慰安婦問題の協議を行った。だが、結局は合意に達せず、李明博大統領は2012年8月に現職の大統領として初めて竹島(韓国名・独島)を訪れ、日韓関係は急速に悪化した。

安倍政権の体系的な韓国軽視

 その後、日韓双方で政権交代があった。日本では第2次安倍晋三政権が2012年12月にスタートした。韓国ではこの直後の2013年2月に朴槿恵(パク・クネ)政権が発足した。

 日本側は、日韓国交正常化を果たした朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘である朴槿恵氏が大統領になったことで、日韓関係の好転を期待した。しかし、朴槿恵大統領は就任直後の2013年3月1日、独立運動記念式典の演説で、加害者と被害者の立場は「1000年の歴史が流れても変わらない」と言い切った。朴槿恵大統領も慰安婦問題の解決を強く主張し、慰安婦問題の解決前の日韓首脳会談を拒否する姿勢を示した。

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