資源エネルギー庁発行『エネルギー白書』平成24年版より

 

 英大手石油会社「BP」が2月14日に発表した「エネルギー長期予測2019年版(BP Energy Outlook 2019 edition)」の中で簡潔に述べているように、現在のエネルギー業界が、いや、全人類が抱えている最大の課題は、「More Energy , Less Carbon」の同時達成である。

「より多くのエネルギーを供給し、同時にCO2排出量を減少する」ことが最重要課題なのだ。

 人類は、より良い明日を実現するために、毎日努力を積み重ねている。

 何が「より良い明日」かは、人によって異なる。だが、人類総体として歴史を俯瞰すると、ある時期までは「人口増と消費エネルギーの増加」と換言できたのではなかろうか。

 資源エネルギー庁が毎年発行している『エネルギー白書』の平成24年版の中にある冒頭のグラフが、この事実を如実に示していると言えるだろう。

 だが、これまで無限大と思われていた人口増加とエネルギー消費量増加の「余地」が、実は地球温暖化という自己破滅的な問題を内包しており、決して「無限大」でないことが認識されるようになった。「より良い明日」は、無邪気に人口増と消費エネルギーの増加によって達成できるという「大前提」に、大きな疑問符がついてしまったのだ。

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