ケリー・クラフト国連大使

執筆者:足立正彦2019年8月7日
 

49. ケリー・クラフト国連大使(57)

 7月31日、米議会上院本会議はドナルド・トランプ大統領が次期国連大使に指名していたケリー・クラフト氏の指名承認採決を行い、賛成56票、反対34票、棄権10票の賛成多数で正式に承認した。国連大使に指名されるまでは、駐カナダ米国大使を務めていた。

 2018年12月末に辞任したニッキー・ヘイリー国連大使の後任として、トランプ大統領は当初、元『フォックス・ニュース』の記者で、トランプ大統領自身が贔屓にしていた番組『フォックス・アンド・フレンズ』の司会者だったヘザー・ナウアート国務省報道官を2018年12月に指名していた。

 しかし、外交分野における経験がないとの批判を受け、また米国での就業資格のない乳母を過去に雇っていたとの報道も明らかになり、ナウアート氏は指名辞退に追い込まれ、代わりにクラフト氏が指名された経緯がある。

 国連大使ポストも国防長官ポスト同様に約7カ月間空白となっていたが、ようやく空白状態に終止符が打たれることになった。

 オバマ前政権では、バラク・オバマ前大統領が2008年民主党大統領候補指名獲得争いに出馬した当時から外交政策顧問として支えていたスーザン・ライス氏、サマンサ・パワー氏が国連大使を務めた。そしてトランプ政権でもヘイリー氏に続き、今回クラフト氏の就任が正式承認され、これで4代続けて女性の国連大使となった。

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