2017年、グラストンベリーでの野外コンサートで行われたジェレミー・コービンの演説風景。多くの若者が熱狂し、歓声を上げた(Official Jeremy Corbyn Channel が公開したYouTube)

 

 「次の選挙」はどうなるのだろうか――。ここしばらく、私の頭の中には、ずっとこんな疑問がぶら下がっている。「次の選挙」というのは、来年2020年の米大統領選ではなく、遅くとも22年に予定される英国の総選挙のことだ。今秋に期限が迫るブレグジット、英国の欧州連合(EU)離脱の展開次第では、今年中に実施される可能性もある。

 私は次回の英総選挙は、世界の政治・経済システムの半世紀ぶりの転換点になる可能性を秘めていると考えている。大転換を読み解くキーワードは「社会主義2.0」だ。

若者の支持を集める「イカれた左翼」

 広げた大風呂敷を3冊の本にそって整理したい。

 1冊目は今年4月に岩波書店から出たアレックス・ナンズ著『候補者ジェレミー・コービン 「反貧困」から首相への道』(岩波書店)だ。

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