「米国主導のホルムズ海峡での警護には参加しない」と断言したハイコ・マース独外相 
(C)EPA=時事

 

 世界経済の大動脈・ホルムズ海峡で、タンカーの安全を確保するために米国が計画中の「有志連合」が迷走している。

 その台風の目は、ドイツだ。同国のハイコ・マース外務大臣は7月31日に、「我が国は、米国主導のホルムズ海峡での警護活動には参加しない」と断言し、「有志連合」参加を求めるトランプ米政権の要請を拒否した。マース氏はその理由を次のように説明した。

「我々は、イランに対する圧力を最大限まで高めるという米国の戦略は誤っていると考えている。事態を軍事的にエスカレートさせることには反対だ。引き続き外交交渉によって危機を解決するべきだと信じている」

あくまで手段は外交交渉

 トランプ政権はホルムズ海峡を航行するタンカーに軍艦を随伴させ、イランの革命防衛隊の攻撃から守る「センチネル作戦」を計画している。万一イラン側がタンカーを拿捕したり、機雷を付着させたりしようとした場合には、護衛する軍艦が発砲し、イランとの間で戦闘の火ぶたが切られる可能性もある。したがってマース外相は、米国主導のタンカー警護作戦は、この海域での緊張をさらに高めると危惧しているのだ。

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