放射線量も上昇「ロシア爆発事故」を引き起こした「秘密兵器」実験
2019年8月10日

爆発原因と考えられる「9M730ブレヴェストニク巡航ミサイル」(ロシア国防省が公表した映像より)
8月8日、ロシア海軍のミサイル実験場で大爆発が起きたという情報がTwitterなどのSNSを中心に拡散された。放射性物質が拡散したのではないかという懸念も囁かれ、不安が広がっている。
何が起きたのだろうか。
ジェットエンジンの実験中に爆発
爆発が起きたとされるのはロシア北部のアルハンゲリスク州にあるニョノクサという場所だが、この名前を聞いて「あぁ、あそこか」と見当がつく日本人はほとんどいないだろう。
ニョノクサは北極圏の白海に面した小さな都市であり、原子力潜水艦の建造拠点として知られるセヴェロドヴィンスクから西に30kmほどの場所にある。ロシア海軍のミサイル実験施設である「海軍第45国立中央海洋試験場」が置かれていることから「閉鎖行政領域(ZATO)」――いわゆる「閉鎖都市」に指定されており、特別の許可証を持たない人間は立ち入りが許されていない。市内へのアクセスは1日2便の鉄道のみ(道路は現在建設中)であるため、物理的にも外界からは隔絶されている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。