放射線量も上昇「ロシア爆発事故」を引き起こした「秘密兵器」実験

執筆者:小泉悠 2019年8月10日
エリア: ヨーロッパ
爆発原因と考えられる「9M730ブレヴェストニク巡航ミサイル」(ロシア国防省が公表した映像より)

 

 8月8日、ロシア海軍のミサイル実験場で大爆発が起きたという情報がTwitterなどのSNSを中心に拡散された。放射性物質が拡散したのではないかという懸念も囁かれ、不安が広がっている。

 何が起きたのだろうか。

ジェットエンジンの実験中に爆発

 爆発が起きたとされるのはロシア北部のアルハンゲリスク州にあるニョノクサという場所だが、この名前を聞いて「あぁ、あそこか」と見当がつく日本人はほとんどいないだろう。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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