米・イランの緊張が続くペルシア湾で、米国主導の海洋監視の「有志連合」に、イスラエルが参加を表明し、いわば「炎上」のための「燃料投下」のような効果をもたらしている。

8月6日に、イスラエルのイスラエル・カッツ外相(運輸相・情報相を歴任し、今年2月から情報相と外相ポストを兼任している)が、イスラエルが米国主導の有志連合に加わる、と発言した。

イスラエルはペルシア湾に面しておらず、公式にはペルシア湾岸のどの国とも国交がない。そのため、イスラエルが有志連合に加わるとしても、いかなる形でそれが可能なのかは不明だ。

これはイスラエルが近年に強調してきた、ペルシア湾岸のアラブ産油国、すなわちサウジアラビアやUAEとの関係強化をさらに進めている、と主張することに意味があるだろう。対イラン強硬路線を先頭に立って進めてきたUAEが方向転換し、サウジと足並みを乱れさせ、対イラン対話に踏み出そうとしたところに、イスラエルが業を煮やして介入し「梃入れ」に走っていると見ていい。

イスラエルが米・英の対イラン強硬派陣営に明確に参加し、サウジ・UAEなどとの関係強化が依然として進んでおり対イラン包囲網が崩れていないと示すことで、ドイツ・フランスや日本などに有志連合に加わることを促す効果も狙っていると見られる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。