2011年2月に社長交代を発表した会見での菊川剛会長兼社長(当時)と、マイケル・ウッドフォード氏。この8カ月後、国際的な大問題に発展する(C)時事
 

【編集部】 2011年10月、消化器内視鏡の世界シェア7割以上を占める精密電子機器メーカー「オリンパス」で、同年4月に就任したばかりだった英国人マイケル・ウッドフォード社長が突如解任された。が、同氏は直後、解任は内部の不正会計を隠蔽するためだと英紙『フィナンシャル・タイムズ』で告発。そして実際、第三者委員会の調査などで、同社が長年にわたり千数百億円に及ぶ巨額の損失隠しを行っていた事実が明るみになり、警視庁捜査二課や東京地検特捜部など司直の手によって刑事事件として立件された。いわゆる「オリンパス巨額粉飾決算事件」である。

 事件は最終的に、粉飾決算を主導した当時の経営陣のうち菊川剛前社長、森久志前副社長、山田秀雄前常任監査役らを金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載罪)容疑で逮捕(肩書はいずれも当時)し、投資会社の社長らが「共犯」として逮捕されたことで終息した。

 共犯とされたのは、投資コンサルティング会社「グローバル・カンパニー・インコーポレイテッド(GCI)」の社長だった横尾宣政氏、取締役だった羽田拓氏、前取締役だった小野裕史氏である(別ルートで共犯として立件された人物らもいた)。

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