「オリンパス事件」仕立て上げられた「指南役」の収監直前「独占告発」(中)
2019年8月14日
1審では、オリンパスの元常任監査役・山田秀雄氏(執行猶予付き有罪判決が確定)が次のような証言をしました。
「400~500億円の損失があることを横尾に伝え、簿外融資をしてくれる外国銀行の紹介を頼んだ。その結果1998年春に、横尾から六本木のレストランでリヒテンシュタイン公国のLGT銀行の東京駐在事務所長・臼井康広を紹介してもらった。それ以前にLGT銀行の人間と会ったことはない」
この証言が、私がオリンパスの粉飾を知っていた証拠とされ、有罪判決が下されました。他のオリンパス関係者2人と、LGT銀行の臼井氏も同様の証言をしました。
ところがその後、山田氏らの証言を覆す2つの新証拠が出てきました。
1つ目は、民事裁判での、オリンパス元副社長の森久志氏(執行猶予付き有罪判決が確定)の証言です。その証言で、六本木の会食以前に、LGT銀行の頭取とアジア担当役員が、審査のためにオリンパスを訪問していたことが明らかになりました。
2つ目は、オリンパスが粉飾を公表した3日後の2011年11月11日に、オリンパスの顧問弁護士(森・濱田松本法律事務所)が森氏に対して行ったヒアリングです。その時の録音を書き起こしたオリンパスの内部資料が、『週刊エコノミスト』によって公表されました。森氏の発言によると、オリンパスが最初にLGT銀行を紹介されたのは、1998年の六本木ではなく、それより1年以上前に、森氏と当時の下山敏郎オリンパス会長がリヒテンシュタイン公国を訪問した時だったのです。
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