10月から最低賃金が大幅に引き上げられることになったが……(写真はイメージです)

 

 今年も最低賃金(時給)が10月から大幅に引き上げられる。遂に東京と神奈川では時給1000円を突破。1013円になった東京は、第2次安倍晋三内閣が発足する直前の2012年には850円だったので、7年で163円、19%も上昇することになる。

 中小企業団体などからは人件費負担増が経営を圧迫するとして批判の声も上がっているが、給与の引き上げで低迷が続く消費を底上げしたい政府の意向が強く反映された結果とみられる。人件費増で経営が苦しくなるという声がある一方で、給与増が消費増に結び付けば、時給アップは景気にプラスに働くという声もある。最低賃金引き上げは、景気にプラスなのか、マイナスなのか。

目指す1000円突破

 厚生労働省の中央最低賃金審議会が7月31日、2019年度の引き上げの「目安」を決めたのに続き、各都道府県の審議会が最低賃金額を決めた。人口を加味した全国加重平均で27円引き上げ、現在の874円から901円になる。引き上げ率は3.1%で、2016年以降、4年連続で3%超が続くことになる。

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