米国「逆イールド」出現の「仕組み」と「景気の先行き」
2019年8月22日
8月14日、米国債券市場で「景気後退期の前兆」「経済崩壊の警鐘」などと呼ばれる「逆イールド」が「12年ぶり」に出現した。同日のニューヨーク株式市場では逆イールドの出現を受け、ダウ平均株価が前日比800ドル以上も急落した。
「逆イールド」とはどのような現象なのか、「逆イールド」が出現するとなぜ景気後退期入りすると見られているのか、今回の「逆イールド」出現は景気後退のシグナルなのかなどについて、「逆イールド」のメカニズムをわかりやすく検証してみよう。
「逆イールド」とは
まず、国が発行する債券(国債)について説明しよう。
政府は必要に応じて「国債」を発行し、資金を調達する。国債には償還(満期)までの期間により、超長期(15~40年)、長期(10年)、中期(2~6年)、短期(3カ月~1年)の種類があり、住宅ローンの基準金利となっている長期国債は償還まで10年の国債を指す。債券市場では、長期国債を10年物国債とも呼んでいる。
例えば、発行額面を100円とし、金利年1%の長期国債は、100円で購入すれば、年に1円の利息が付き、これが10年繰り返されるため、償還までには10円の利息を得ることになる。ただし、これは何もせずに10年間国債を保有した場合の話。
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