韓国「GSOMIA破棄」強行決断「5つの理由」

執筆者:平井久志2019年8月28日
8月15日の光復節での演説で、文在寅大統領は姿勢を一転させたように見えたが……(C)AFP=時事

 

 韓国では8月22日午後3時から青瓦台(大統領府)で、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長の主宰による国家安全保障会議(NSC)常任委員会が開かれ、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長するか破棄するかが討議された。この場で、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相はGSOMIAの必要性を訴えたといわれている。

 常任委員会は約2時間続けられ、大統領執務室小会議室に場所を移し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参加してさらに約1時間討論を行った。この小会議室の協議には李洛淵(イ・ナギョン)首相も参加し、事実上のNSC全体会議となった。

韓国の「オウンゴール」

 韓国政府は7月末の段階では、GSOMIAを延長する方針だったという。これが変わったのは、日本政府が8月2日に韓国を「ホワイト国」から外すよう決定した時からだった。韓国では、「ホワイト国」から除外するということは、安全保障上の友好国から外すということを意味する、と受け止められた。安全保障上の信頼関係もないのに、通商よりも敏感な軍事情報を共有できるのかという意見が台頭してきた。

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