G7直前に行われた仏露首脳会談。マクロン仏大統領(右)と握手するロシアのプーチン大統領 (C)AFP=時事

 

 仏南西部ビアリッツでの主要国首脳会議(G7サミット)の5日前、エマニュエル・マクロン仏大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を南仏の大統領保養地に招き会談した。外交的思惑を秘めた仏大統領の仕掛けだった。

 南仏プロバンス地方にある大統領専用保養地ブレガンソン島。地中海にある周囲500メートルほどの小島で、中世には城砦が築かれていた。1968年に大統領保養地となり、現在は駐車場とヘリポートを兼ねた堤防で陸続きとなっている。外界から孤立して目につきにくく、警備も容易なことなどから、歴代大統領は好んでここで休暇をとってきた。

 マクロン大統領は7月下旬からブリジット夫人と島内の館にこもって夏休みを過ごした。大統領官邸が「大統領はバカンスを勉強にあて、静かに過ごす」と発表した通りメディアに出ず、夫妻が親戚と近くのピッツェリアで食事をとったことが報じられたくらいだ。

人権めぐり火花

 夏休みが明ける2日前の8月19日、プーチン大統領がブレガンソン島を訪れた。仏大統領官邸は7月末に、プーチン大統領が仏大統領の招待で来島することを発表していたが、G7サミット直前という時期柄、さまざまな憶測を呼んでいた。

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