BP「アラスカ撤退」を伝える『ロイター』記事。写真は「The BP Exploration (Alaska) Inc」
 

 1973年の第1次オイルショックによる油価高騰がプロジェクトに経済性を与えたことで生産が始まったアラスカから、英大手「BP」がすべての保有資産を56億ドル(約5900億円)で売却し、撤退を決めたというニュースが流れている(『ロイター』2019年8月28日「BP to quit Alaska after 60 years with $5.6billion sale to Hircorp」)。

 これでまた、時代に1つの区切りが付いたと言えるだろう。

 1973年10月に始まった第4次中東戦争時に、サウジアラビアなどをメンバーとする「OAPEC(アラブ石油輸出国機構)」が石油を「武器」として用い、禁輸や減産などを実行した結果、それまでバレル3ドル程度だった油価を4倍の12ドルに押し上げた。第1次オイルショックである。それまで安価で豊富な石油により高度成長をエンジョイしていた日本は、突然の狂乱物価に襲われ、各地のスーパーマーケットでトイレットペーパー争奪戦が起こるほどだった。

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