天職をみつけた「紛争地の看護師」が挑む究極の「対症療法」 

『紛争地の看護師』白川優子氏インタビュー

執筆者:高井浩章2019年9月4日
シリアでは連日銃弾や空爆の被害者の治療に当たっていた白川氏(右) (C)MSF

 

 「国境なき医師団(MSF)」の看護師としてシリア、イエメン、イラクなど内戦による人道危機の現場に何度も足を踏み入れた白川優子氏(45)。自身の半生と戦地での経験をつづった『紛争地の看護師』(小学館)は大きな話題を呼び、発刊から1年を経てロングセラーとなっている。

 どこにでもいる普通の高校生だった彼女が、なぜ幾度も危険な紛争地に向かう人生を選んだのか。混迷する中東情勢への思いや、看護師を「天職」と言い切る職業観、そして若者たちへのメッセージを語ってもらった。

「まさか紛争地に行くとは」

たおやかな中にも芯の強さを感じさせる白川氏
撮影:菅野健児

 白川氏は2010年にMSFに参加して以降、8年のうちに17回も海外の医療支援活動に派遣されている。特に15年10月の2度目のイエメン入り以降はイラク、シリアと中東でも最も過酷な紛争地に「休みなし」と言ってもよいハイペースで入っている。

 だが、意外なことに、MSFに参加した時点でも、自らが歴戦の「紛争地の看護師」となるとは想像していなかったという。現在MSFの日本拠点でリクルートを担当する白川氏はこう話す。

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