厚労省「財政検証」で分かる「年金制度100年持続」のウソ
2019年9月6日
数年来言われ続けてきた「年金制度崩壊」の危機がいよいよ明らかになった。
厚生労働省自身による「財政」の検証を検証してみると見えてきたのは、将来にわたっての年金受給額の減少、年金受給年齢の高齢化はおろか、最悪の場合には、国民年金では積立金が枯渇し、所得代替率は30%台半ばまで低下するという姿だ。
意図的に遅らせた?
厚生労働省は8月27日、2019年財政検証の結果を発表した。多くのメディアは、根本匠厚労相の、
「所得代替率50%以上を確保できることが確認された。(年金制度は)おおむね100年、持続可能になる」
との発言を受け、そこだけを強調して「所得代替率は50%を確保」と如何にも年金制度が安定しているかのような報道をしている。しかし、財政検証を詳細に検証すると、そこには政府の主張する“100年間持続可能な年金制度の欺瞞”が浮かび上がってくる。
厚労省による年金制度の財政検証は、5年に1度行われる。「次の財政検証までに所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合には、 給付水準調整の終了その他の措置を講ずるとともに、給付及び負担のあり方について検討を行い、所要の措置を講ずる」(厚生年金保険法及び国民年金法の規定)ことを目的としている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。