ラオスのブンニャン・ウォーラチット大統領と”共同歩調”を取れるか(C)EPA=時事

 

 日本との対立に加え、アメリカともギクシャクしたまま。国内では懐刀で後継者とも報じられているタマネギ男のスキャンダル――内憂外患の渦中にあると見られる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、9月1日から6日にかけタイ・ミャンマー・ラオスの3カ国を訪問した。

 出発前、文統領は、11月に釜山で予定されている「韓国・ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議」と第1回「韓国・メコン首脳会議」を前提として、アジア成長の原動力であるASEANとメコン流域諸国との協力強化の方向性を打ち出していた。

 客観情勢からして、韓国には現在、これら3カ国との間に緊急解決を迫られているような外交課題はないはずだ。だとするなら、今次訪問の最大の狙いは第1回韓国・メコン首脳会議成功に向けた準備工作にある。言い換えるなら、文政権は今後のASEAN外交の柱にメコン流域を据えることを狙っている――こう考えられる。

タイ・ミャンマーへの感謝の表明

 大統領一行の出発前、青瓦台(大統領府)の報道官は「3カ国は、外交・経済面の活動空間拡大のために韓国が重点的に推進する新南方政策にとっての核心的国家」であり、「第1回韓国・メコン首脳会議成功のためのパートナーである」と、韓国にとっての3カ国の位置づけを明らかにした。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。