今度は「エネルギー相」も解任「王族初抜擢」ムハンマド皇太子の思惑と成否
2019年9月12日
サウジアラビア(以下、サウジ)が王国建国以来の伝統を破り、国家にとって最重要閣僚であるエネルギー大臣に王族の1人を任命したことが持つ意味は何か?
誰にとっても、この問いに答えることはけっして簡単なことではない。
ましてや学者でも研究者でもなく、アラビア語の1つも解さない、一介のサラリーマン卒業生に過ぎない筆者の手に負える問題ではないのかもしれない。
だが、日本人全般のエネルギーリテラシーを高めるお手伝いをすることを自らの任務と課している筆者としては、考えてみる、その考える道筋を紹介してみる、それだけのことでもやってみるべきだ、と考え、以下書き続けることにする。
まず、9月4日の拙稿『突如「サウジアラムコ」会長解任で「IPO」は遠のくか』でお伝えしたとおり、9月3日付で、ハーリド・アル・ファーリハ・エネルギー相が、兼務していたサウジの国営石油会社「サウジアラムコ」(以下、アラムコ)の会長を解任された。
そして今回、エネルギー相までも解任されたと8日に発表された。後任には、サルマーン国王の息子であるアブドルアジーズ・ビン・サルマーン王子が任命された。初の王族大臣なのである。
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