サイバー工作で暗躍する「オランダ」凄腕「スパイ機関」
2019年9月17日
欧米のサイバーセキュリティ関係者の間では知られた存在の米女性フリージャーナリスト、キム・ゼッター。
これまでイスラエルや米国のセキュリティについて執筆を行ってきた彼女は、2014年に出版した『Countdown to Zero Day』という著書で、2009年にイランのナタンズ核燃料施設がどのようにサイバー攻撃で破壊されたかについて、エンジニアなどの視点を中心にまとめている。
このサイバー攻撃は「オリンピック・ゲームズ作戦(通称、スタックスネット)」という名で知られており、米CIA(中央情報局)とNSA(米国家安全保障局)がイスラエルの協力を得ながら実行した驚くべきサイバー工作だった。
米国は、核開発疑惑のあったイランの核濃縮活動を妨害すべく、ナタンズの施設内にある中央制御装置にサイバー攻撃でマルウェア(不正なプログラム)を送り込み、遠心分離機を破壊した。外部のインターネットに接続されてすらいなかった核燃料施設のシステムをサイバー攻撃で破壊した前代未聞のケースとして、セキュリティ関係者なら誰でも知る有名な作戦だ。
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