最後のツイートは解任翌日の9月11日、「昨夜辞任を申し出たが、大統領は”明日の朝話そう”と言った」という恨み節で終わっている
 

 9月10日、ドナルド・トランプ大統領はツイッターで、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任したことを発表した。トランプ大統領は「ボルトン補佐官の助言の多くに強く反対だった」として、外交・安全保障政策をめぐる意見の違いが原因だと発表した。

 さらに11日、「彼は北朝鮮の核問題をめぐりリビア方式を持ち出すという大きなミスを犯した」とも指摘した。リビア方式は、かつてリビアの独裁者カダフィー大佐に大量破壊兵器を放棄させたことを前例に、まず核兵器の放棄を実行させ、それに応じたあとに制裁の解除などの見返りを与える考え方だ。

 トランプ大統領は、イランのハッサン・ロウハニ大統領やアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンの指導者との会談も検討しており、保守強硬派のボルトン補佐官の否定的な態度が、トランプ大統領と、その意を受けたマイク・ポンペオ国務長官とも対立してきたと言われている。したがって、世界に今回の解任の驚きはない。トランプ大統領は、昨年3月に、レックス・ティラーソン国務長官や、ボルトン氏の前任であるH.R.マクマスター補佐官を更迭したことを皮切りに、昨年いっぱいでジョン・ケリー首席補佐官とジェイムス・マティス国防長官のクビも切り、自らの周りをイエスマンで固めてきた。

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