米ワシントンD.C.のアーリントン国立墓地に眠るその日本人女性の名前は、キヨ・ヤマダ。1922年に東京で生まれ、戦後に渡米して軍人と結婚し、国務省に長らく勤めて2010年に他界した――というのは表向きの経歴だ。実際はCIA(米中央情報局)のスパイを養成する語学インストラクターだったのだという。
この度刊行された山田敏弘さんの『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)は、そんな彼女の半生を綴ったノンフィクションである。
一体、キヨ・ヤマダとは何者だったのか。山田氏とドラマ『相棒』(テレビ朝日系列)で知られる脚本家の真野勝成氏が、本書で明らかにされるキヨ・ヤマダの秘密の一端を語った。
日本はソ連・中国のスパイ拠点
真野 僕はインテリジェンス関連の本が大好きなので、本書は“ド真ん中”でした。
CIAの諜報活動は基本的には表に出てきません。何年か経ってちらほらと漏れ伝わってくるものもありますが、それはウサマ・ビン・ラディン掃討作戦のような大きなオペレーションに限った話です。
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