結党以来、最も目覚ましい躍進ぶりを見でているドイツ「緑の党」。「ここで未来を変えています」と書かれているが、来年の総選挙で本当に変えてしまうかもしれない (HPより)

 

 欧州に大変化をもたらしたベルリンの壁の崩壊から、今年は30年を迎える。来年は東西ドイツ統一から30年になる。だが旧西ドイツと旧東ドイツの間では、政治的な亀裂が深まる一方だ。

 日本のメディアの報道を見ていると、ドイツ国内での右翼政党の躍進ばかりが強調されているが、それだけでは今日のドイツの状況を正しく把握することはできない。全国レベルで見ると、リベラルな環境政党「緑の党」が結党以来、最も目覚ましい躍進ぶりを見せているからだ。2021年の総選挙で、緑の党が政権入りするのは確実だろう。初めて緑の党の首相が誕生する可能性すら浮上している。

 ドイツでは緑の党の破竹の進撃と、東側での右派ポピュリスト政党の躍進という2つの現象が同時に起きているのだ。

「第2の革命」を起こそう

 9月1日、ドイツ東部にあるザクセン州とブランデンブルク州で州議会選挙が示したように、旧東ドイツでは右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、前回の選挙に比べて得票率を大幅に増やした。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。