東「右翼」西「緑の党」が躍進ドイツで進む「大地殻変動」

結党以来、最も目覚ましい躍進ぶりを見でているドイツ「緑の党」。「ここで未来を変えています」と書かれているが、来年の総選挙で本当に変えてしまうかもしれない (HPより)

 

 欧州に大変化をもたらしたベルリンの壁の崩壊から、今年は30年を迎える。来年は東西ドイツ統一から30年になる。だが旧西ドイツと旧東ドイツの間では、政治的な亀裂が深まる一方だ。

 日本のメディアの報道を見ていると、ドイツ国内での右翼政党の躍進ばかりが強調されているが、それだけでは今日のドイツの状況を正しく把握することはできない。全国レベルで見ると、リベラルな環境政党「緑の党」が結党以来、最も目覚ましい躍進ぶりを見せているからだ。2021年の総選挙で、緑の党が政権入りするのは確実だろう。初めて緑の党の首相が誕生する可能性すら浮上している。

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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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