「イラン製ミサイル=イランの犯行」と主張するサウジ国防省報道官(C)EPA=時事
 

 9月14日に起きたサウジアラビア(以下サウジ)の国営石油「サウジアラムコ」(以下アラムコ)施設に対する攻撃について、イエメンのフーシー派は「自分たちが空爆した」と主張している。しかし、米国も含め諸外国の外交関係者の中には、イランの支援を得たイラク民兵軍(シーア派組織)によるミサイル攻撃ではないかと疑念をもつ人々もいる。詳細がどうであれ、米国、サウジその他の国々は、イランを責めるであろう。

 一方、イラン政府は関与を否定している。これまでにも書いてきたように、イランには親イランの様々な武装グループがおり、政府がそれらの活動を完全にコントロールできているとはとても言えない。ただし、今回の攻撃の規模と緻密さは、これまで行われてきたランダムな攻撃とはレベルが違う。

 それから、これも以前から述べていることだが、イランの「保守」と「穏健派」の考え方の違いは、しばしば誇張されており、実際のところ、重要な事項については、中央で調整が行われた上で実行される。そのため、「今回の攻撃はイランの『過激分子』が政府の指示なしに勝手に行った」という説には信憑性が感じられない。

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