トゥンベリさんの悲痛な叫びは世界中に響いたが……(C)AFP=時事
 

 9月23日(月)、ニューヨークで開催された「国連気候行動サミット」については、小泉進次郎環境大臣の「セクシー発言」ばかりが取り上げられているが、ここは冷静に日本の立ち位置を確認するところから考えてみるべきだろう。

 たとえば東京時間9月24日(火)午後2時ごろに掲載された『BBC News Japan』の「『私たちを裏切った』、気候変動の危機を訴える少女 国連で怒りの演説」という記事を読むと、安倍晋三首相は、「登壇し、演説をすることを許可されていなかった」のだそうだ。

 なぜなら、当該サミットを企画・実行したアントニオ・グテーレス国連事務総長は、2050年までにCO2排出量を「ネットゼロ(排出量が回収量などを上回らないこと)」にすることを目指し、各国に化石燃料への補助金削減や新規石炭火力の建設中止を呼びかけており、具体的な対応策を持ってきた国の代表者のみに演説を許可していたからだ。

 たとえば、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、財政支援額を現行の2倍の40億ユーロ(約4700億円)に増額すると演説し、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、世界銀行、米州開発銀行や環境NGOなどが熱帯林保護のために5億ドルを投ずると語ったそうだ。

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