2018年の中間選挙ではトランプ大統領も応援に来たが辛勝だったクルーズ上院議員も度々危機感を訴えている(C)AFP=時事
 

【ワシントン発】 9月12日に10名の候補者による第3回民主党大統領候補テレビ討論会が開催されたのは、テキサス州を代表する大都市ヒューストンであった。

 民主党全国委員会(DNC)がヒューストンでテレビ討論会を開催すると決定した背景としては、近年、堅調に経済が発展し続ける中でエネルギー産業や技術産業を中心として雇用が増大し、都市部郊外にリベラル派の有権者が流入する動きがテキサス州では顕著となっており、DNCとしてはそうした流れを取り込みたいとの狙いがある。

 テキサス州におけるこうしたリベラル派有権者の動向はヒューストンに限らず、ダラス・フォートワース地区など他の同州主要都市に共通した展開となっており、同州の変化を象徴しつつある。

共和党の「牙城」であったテキサス州

 テキサス州は1970年代以降、リチャード・ニクソン大統領の「南部戦略」の一環として、民主党離れと共和党化が鮮明となり、共和党にとって「牙城」のような存在であった。大統領選挙で民主党候補がテキサス州で最後に勝利できたのは、1976年のジミー・カーター元ジョージア州知事が最後であり、同州選出の上院議員選挙でも、1988年のロイド・ベンツェン上院議員が勝利を収めた最後の民主党上院議員である。

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