今回はなんとか切り抜けたが――(C)EPA=時事
 

 欧州中央銀行(ECB)は9月12日、利下げと量的緩和政策の再開という大胆な金融緩和政策に踏み出した。そして続いて米連邦準備制度理事会(FRB)も18日、追加利下げを実施した。 

 しかし、19日の日本銀行金融政策決定会合では、金融緩和政策の現状維持を決めるにとどまった。

 世界経済の先行き悪化懸念に対して、予防的な措置としての金融緩和策を打ち出したECBとFRB。これに対して、日銀は追加金融緩和には踏み込まなかった。果たして今後、日銀の金融政策はどう動くのか。

欧米とも緩和の強い意志

 12日のECBによる3年半ぶりの金融緩和の再開は衝撃的だった。

 市場関係者のおおよその予想は、実質的な利下げとなる「銀行が中央銀行に余剰資金を預ける際の金利」の引き下げのみだった。実際に12日のECB理事会では、この金利を現在のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げた。

 その上で市場関係者を驚かせたのは、2018年12月に終了させたばかりの量的緩和を再開したことだった。11月1日から月額200億ユーロ(約2兆3500億円)の国債などの購入を実施する。

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