支持率「下降気味」のバイデン氏と「上昇気味」のウォレン氏(C)AFP=時事
 

【ワシントン発】 首都ワシントンが激震に見舞われている。

 9月24日、議会民主党指導部を率いているナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州第12区選出)は非公開で開催された下院民主党議員総会後に記者会見し、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾訴追に向けた調査に入る方針を正式に表明した。これは、トランプ大統領が今年7月25日に行われた米・ウクライナ電話首脳会談の中で、2020年大統領選挙で対峙する可能性がある野党・民主党の有力候補ジョセフ・バイデン前副大統領と次男ハンター・バイデン氏に関する調査を行うようボロディミル・ゼレンスキー大統領に圧力をかけていたいわゆる「ウクライナ疑惑」が浮上したことを受けたものだった。米議会がすでに承認していた総額3億9100万ドルの対ウクライナ武器支援のための資金供与を、トランプ大統領は電話会談の1週間前に延長することを決定する一方、バイデン一家に対する調査をウクライナ政府に求めて圧力をかけた疑惑が表面化したのである。

「序盤州」で優位に立ち始めたウォレン氏

 こうした大きな展開の陰に隠れてしまいあまり大きな焦点が当てられていないが、最近、バイデン氏は、従来までは他候補よりも優位な立場にあったアイオワ州、ニューハンプシャー州といった全米で最初に党員集会や予備選挙が開催される「序盤州(early states)」において、エリザベス・ウォレン上院議員(マサチューセッツ州選出)の支持が上回る状況が各種最新世論調査結果で明らかになりつつある。

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