「大統領当選可能性」と「脆弱性」が混在し始めたバイデン前副大統領

執筆者:足立正彦 2019年9月28日
エリア: 北米
支持率「下降気味」のバイデン氏と「上昇気味」のウォレン氏(C)AFP=時事
 

【ワシントン発】 首都ワシントンが激震に見舞われている。

 9月24日、議会民主党指導部を率いているナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州第12区選出)は非公開で開催された下院民主党議員総会後に記者会見し、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾訴追に向けた調査に入る方針を正式に表明した。これは、トランプ大統領が今年7月25日に行われた米・ウクライナ電話首脳会談の中で、2020年大統領選挙で対峙する可能性がある野党・民主党の有力候補ジョセフ・バイデン前副大統領と次男ハンター・バイデン氏に関する調査を行うようボロディミル・ゼレンスキー大統領に圧力をかけていたいわゆる「ウクライナ疑惑」が浮上したことを受けたものだった。米議会がすでに承認していた総額3億9100万ドルの対ウクライナ武器支援のための資金供与を、トランプ大統領は電話会談の1週間前に延長することを決定する一方、バイデン一家に対する調査をウクライナ政府に求めて圧力をかけた疑惑が表面化したのである。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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