「日本渡航」もある上海「子宮頸がん」HPVワクチン接種の現状

執筆者:医療ガバナンス学会2019年10月3日
接種のために日本に――(写真はイメージです)
 

【筆者:趙天辰・医療インバウンド・医療ツーリズムサービス「光亜」代表】

 あっ、こんなにも活気のある素敵な場所だったのか――。

 これが私の初めての上海に対する印象である。日本で生まれ育った私は、両親が北京出身ということもあって、今まで一度も上海を訪れたことがなかった。すごい都市であると噂には聞いていたが、正直期待はしていなかった。

 しかし、予想以上に青い空、煌びやかなネオンで構成された夜景、幾重にも連なる超高層ビルを見て、上海の成長速度に度肝を抜かれたのであった。労働者もみんな生き生きとしていて、日本の環境に居続けることに危機感すら覚えた。北京よりもはるかに発展しているこの都市は、いかにできたのだろうかと興味を持った。

 9月15~16日、上海で行われた復旦大学の公共衛生学院と「医療ガバナンス研究所」が交流活動を続けてきた共同研究の打ち合わせに、医療ガバナンス研究所の通訳士として参加した。

 今回主に訪問した松江区という地域は、有名観光地の「外灘」(バンド)がある上海の中心から、南西に約35キロ離れた、黄浦江の上流に位置する。

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