民主党大統領候補選びの「力学」を変えうる「大統領弾劾プロセス」
2019年10月4日
【ワシントン発】 2020年大統領選挙キャンペーンでは、ドナルド・トランプ大統領の再選を支持する共和党系有権者と、トランプ再選を阻止するために民主党候補を支持する民主党系有権者とが厳しく対立し、米国社会の二極化が改めて浮き彫りになることが予想されていた。だが、約13カ月先の2020年11月3日の投票を待たずして、米国内の党派対立はさらに先鋭化することが確実な状況となっている。
今年5月にウクライナ大統領に就任したボロディミル・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領は、7月25日に約30分間の電話首脳会談を行っている。その際、2020年民主党大統領候補指名獲得争いを主導して「フロントランナー」の立場にあるジョー・バイデン前副大統領と次男ハンター・バイデン氏のウクライナに関する調査を行うようトランプ大統領が「圧力」を加えていた、という「ウクライナ疑惑」が浮上した。
これに対し、下院民主党を率いるナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州第12区選出)は、外国政府を政治的に利用して自らの米国内の政敵を攻撃しようとしたことは米国の国家安全保障に対する背信行為であるとして、トランプ大統領に対する下院での弾劾訴追に向けた調査に入る方針を9月24日明らかにした。
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